2022年秋の改装を経て、店内の裏に潜むギャラリー兼アトリエは、BARスペースとしてお過ごしいただけるようになりました。

私は、2014年フランス・ジヴェルニーにある水の庭と出会って以来、水(洋酒)、光(いま)をテーマに活動を続けております。 

改装する際は、これまで培ってきた自身の中にある世界観を空間に演出することを念頭に構成しました。

 

下写真は、私がフランスジヴェルニー・モネ邸とフランスシャブリ村にて撮影した写真です。

今回、空間コンセプトやカラーイメージを考えるにあたり、これまで私が体感した風景を確認しました。

無意識に撮影していたこれらの写真から、石壁と緑色の組み合わせに興味を抱いていたことがわかりました。

私がもつ、フランスのカラーイメージは、石壁と緑色の組み合わせです。

店内のバックバーにある緑色の壁タイルと正面の石壁は、そのイメージから設えてます。

バックバーにあるタイルの質感は、店内に展示している絵画・睡蓮のテクスチャからのイメージ。

 

下写真は、アトリエやアートギャラリーをイメージした白壁と木の床材。

入口からは、敢えて絵画しか見えないようにしています。

木の床材ならではの足音がアトリエやアートギャラリーの雰囲気を醸します。

睡蓮

入口にある絵画・睡蓮は、岡山県 大原美術館にて購入。

大原美術館所蔵の作品で、日本人画家・児島虎次郎 氏が、フランス・ジヴェルニーまで訪問し、モネから直接譲り受けたことで有名な作品の複製画。

浮世絵

モネは、浮世絵を好み、コレクターだったことで知られています。

モネ邸は、2014年と2019年に見学しましたが、壁にはたくさんの浮世絵がありました。

下の写真は、私が実際にフランス ジヴェルニー モネ邸で撮影しました。

壁には、数えきれないほどの、浮世絵がありました。

 

店内にも、浮世絵を展示しています。

展示左端が、歌川広重 六十余州名所図絵 和泉高師のはま。

旧和泉国現大阪府高石市高師浜が、描かれた木版画で、私が生まれ育った故郷です。

作品にされた1853年頃には、私の祖先も高師浜に暮らしていたので、いろんな情景を想像させられる思い入れ深い作品です。

展示中央、歌川広重 名所江戸百景 亀戸天神境内。

モネは、この境内にある太鼓橋とフジの花に影響を受けたといわれいます。

モネの庭に設けられた太鼓橋やフジの花から伺い知ることができます。

フジの品種は、大阪市福島区発祥の野田フジでモネ邸の庭も同じ品種が植樹されています。

偶然ではありますが、モネ邸・フランスジヴェルニーと福島が繋がる浮世絵です。

右端が、歌川 広重 名所江戸百景 猿わかまちよるの景。

中秋の名月の下、芝居見物後の人々でにぎわう猿若町を描いた1枚です。

帰路につく人々の月影は、ゴッホの名作「夜のカフェテラス」に影響を与えたと言われています。夜のイメージで展示しました。

 

トイレ前 花入れ

壁掛けの花入は、ウイスキーのシェリー樽と錫を組み合わせた作品です。

錫作家による錫とウイスキー樽による一点ものです。

 

 

酒棚 吊り下げファウンテン

バックバーに吊るされたファウンテンは、夜の水と光をテーマにしたジヴェルニーの演出。

滴る水滴が水の気配を感じさせ、生み出す水紋が水面や光(瞬間)を演出してくれます。

私がイメージする月明かりの世界観です。

瞬間を捉えないと向き合えない雫と水紋。

滴る雫、水紋が、常に新鮮な水と光の世界観を演出する当店のシンボル的存在は、2016年から続く水と光をテーマにしたジヴェルニーのアート作品です。

モネが、水の庭で光、瞬間を捉えていたように、お客様の感覚で捉えていただきますと幸いです。

展示中

氷を水源とした水と光のアート作品

瞬間を捉えることで、常に新鮮な表情と出会えます。

氷の神秘性やお酒と向き合える今という時間の豊かさに気付かされます。